エピローグ

 

 

「なぁ、この後どうすんの?」

僕の中の声が、そう問うた。

 

何をしようか、何をすべきか、何も考えていない。

まぁなるようになるさ

 

 

 

しようもないモノローグ、感傷にまみれた一人語り、下手くそな一人芝居–––––

幾度となく続けてきた。そうやって自分の中に溜まっていた澱を、取り除こうとしていた。

そう思い込んでいるだけかもしれない。

 

 

 

終わり良ければすべて良し、割と本気でそう思っている。

結果至上主義とか、そういうわけじゃなく–––––

 

終わってから振り返ってみれば、なんだかんだ良かったな、というそんなテキトーな感覚。

 

本当にテキトーだと自負している

夜にいいことがあるだけで1日の記憶が美化されるし、

帰り道に不快感を覚えるだけで最悪な1日にすり替わる

 

 

まぁ寝たら全部忘れるんだけどな

 

 

 

みんなそうだろ?

 

 

 

 

終わりがあるからこそ美しい。長編小説のクライマックスもそうだし、誰かの死すらもそう感じる。

 

用意された終わり、だからだろうか。それ以上先が存在しない、つまり先に期待するものがないから、今その瞬間の“終わり”を至上のものと錯覚しているではないか

 

 

 

 

"終わり"に目を向けると、自然と"始まり"にも意識が向いてしまう。

 

–––––なぜ、始めたのか

 

「文字化できない想いがある」

誰かがそう言っていた。その通りだと思うし、実際今の僕の思いを完全に文字化することなんてできない。

 

 

どこかふわふわしている、掴もうとしても掴めない、曖昧な思考。

それでもそこにはっきりと”ある”、確固たる思考。

 

大きな袋で一緒くたに入れてしまいたい

でもそうすると余分なものまで入ってしまう

 

 

 

嘘が、混じってしまう

 

体裁が、邪魔をしてしまう

 

 

 

放ったらかしにすれば、散逸して二度と見えなくなる

 

 

だから残そうとする。

嘘を交えながら、本心を偽りながら、それでも––––

 

 

そうやって色々なものを残してきた。形のあるもの、形のないもの。文字化されたもの、そうでないもの。記憶に中だけにとどめたもの、どうしようもなく外に吐き出したもの。

 

 

 

 

 

正直に言おう、オチが見えない

 

偉そうに”終わり”を語っているというのに。

 

 

静かなフェードアウトが理想的

点字ブロックのように、続いているはずなのに気づいたら消えてしまってる、そんな終わり

そうやって静かに、音もなく消えていってしまいたい

 

 

 

 

 

そろそろ自分に嫌気がさしてきた、筆を置こう

 

とりあえずここで一区切り。もう書かないかもしれないし、書くのかもしれない

『その時』がきてみないとわからない。こないかも、しれない

 

 

では–––––––