2019-01-01から1年間の記事一覧

骨折り損のくたびれもうけ

今年の夏は色々ありすぎた。フィンランドに行き、お伊勢参りをし、同期たちと飲み、そして骨折した。 絵に描いたような転落劇だった。今年の夏は今までの人生で一番楽しいのでは? 計画の段階でそんな予感があり、確かにめちゃくちゃ楽しかった。骨折するまで…

用意された悲劇

最近、漫画を読む機会が多い。知り合いにジャンプ大好き人間がいるのだが、彼のおかげでそれはそれは大量の漫画を読ませていただいている。とりあえず鬼滅の刃は読むべき。 つかみはこの辺にしておいて、漫画というか、フィクションのお話。標準を知らないの…

右も左も分からない

まぁ俺はまだ人生1周目だし、なんなら平均の1/4程度しか生きてないんで、人生露頭に迷うわけでありまして。 っていう話じゃなくて。物理的に、左右がわからないっていう話。 いや左右がわからないって意味わかんねぇよって思うじゃん? 別に右と左って言葉は…

モノローグ

「自分を自分たらしめるものは、何だ」 それは自意識だ。理性的な僕が答えた。 そんなこと当たり前じゃないか、何を今更、そう問いたげだった。 彼は続けた。 自分自身がこうありたい、こうあるべきだと考え、それを体現した結果が今の自分だ。だったら己の…

まだ知らない声

「ねぇ、何読んでるの?」 そう話しかけられたことがある。知らない女から。 駅で電車を待っていたときのこと。僕は一人で本を読んでいた。 何の変哲も無い、平凡な帰り道。僕の少し前に立っていたその女は、突然振り向き、尋ねてきた。 –––––小説ですよ 少…

真実って何だ

小説が好きだ。 幼い頃から本を読むことが好きだった。漫画よりも小説を好んでいた、なぜかは未だによくわからないが。漫画ももちろん好きだが、小説の方が読んでいて楽しいと思っている。 文字だけの世界。自分の想像で物語を自由に色づけることができる。…

Side B

窓から差し込む光に誘われ、私は静かに目を覚ます。 いつも通りの、なんの変哲もない朝。ゆっくりと体を起こす。少し頭が痛い。 ベットから降りて大きく伸びをする。ここは病室。 そう、私は入院している。何日も、何ヶ月も。ひょっとしたら何年も、かもしれ…

Side A

窓から差し込む光に誘われ、僕は静かに目を覚ました。 視界に入っているのは真っ白な壁、いや、天井か。ゆっくりと体を起こす。少し頭が痛い。 ここはどこだろうか。 昨日のことを思い出そうとしても、頭痛がひどくなるばかり。考えてはならないと、脳が警告…

特殊性を追い求めて

「一年生になったーら、一年生になったーら、友達百人できるっかな?」 百人規模で作ってしまった友達はたぶん大した関係ではないような気がする。 新年度だ。そういう噂を耳にした。実感はない。 世の中にはこの時期に新入生とか新社会人とかいう人種が大量…

寝ても醒めても、人は夢見る

「しょうらいのゆめは?」 –––––クワガタ!!! 隣の子がカブトムシって答えてた対抗心からだった。 絶対カブトムシよりクワガタの方が強いし 幼稚園の頃のこと。 「しょうらいのゆめ」を聞かれたのでとりあえず答えた感じだったか。僕は幼い頃のことなんて…

はじめの一歩

「大人になるってなんだろう。」 最近頻繁に考えることがある。それでも結論は出ない。結論を出すべきことなのか、それすらもわからない。 先日成人式に参加した。大人になった自覚は正直ないが、少なからず周囲からは自分を大人として扱ってくるはずだろう…

さくら色の夢

「・・・くん?」 懐かしい声とともに、最も付き合いの長い呼び名が聞こえた。 いつのことだったか、大学1年くらいだったか。 大学の学園祭で、小学校同期と再会した。 すれ違いざまに突然声をかけられたのだった。 再会を果たした時、なんと声をかけるべき…

エピローグ

「なぁ、この後どうすんの?」 僕の中の声が、そう問うた。 何をしようか、何をすべきか、何も考えていない。 まぁなるようになるさ しようもないモノローグ、感傷にまみれた一人語り、下手くそな一人芝居––––– 幾度となく続けてきた。そうやって自分の中に…